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nmyさんの思い出

捨てたCDの思い出

CDってあんまり捨てないですよね。僕は捨てないです。売らないし。でも、1枚だけ捨てたCDがあって、それがスーパーカーのデビューアルバム「スリーアウトチェンジ」です。

スーパーカーは1997年にデビューした、日本のバンドです。1997年、僕は二十歳でした。福岡の高校を卒業して、東京の大学に出てきて、ずっといじめられっ子だったから大学デビューしたいと思ってたけど、学校ほとんど行かなくてテレホタイムにチャットばかりしていました。ある日、僕の数少ない大学の友達がCD-Rドライブ買ったからCD作ろうぜって声をかけてきて、それで始めて曲を作って、バンドを組むことになりました。その友達がもう1人つれてきて、僕がもう1人声をかけて組んだ、男ばっかりの4ピースバンドです。僕は楽器とか全く弾けなかったけど、バンド楽しくて、がんばって曲とかを書いていました。ローファイという便利なブームもあったので、俺たちローファイだし、ガレージだしみたいな。勘違いですね。

そんな頃に、スーパーカーの曲を聞きました。イギリスの、ナイーブな人たちみたいな、歪んだギターできれいなメロディを奏でる、おしゃれな曲をやっていました。シューゲイザーってやつですか。それで、かわいい女の子がベースを弾いていて、たまに歌をうたっていました。フルカワミキさんです。すごくキラキラしていました。とても眩しかったです。女の子のメンバーがバンドにいるなんて。それでイギリスっぽいオシャレなロックやってるなんて。

アルバムを買ったはいいものの、当時童貞だった僕はだんだん複雑な気持ちになってきました。なんか、負けてる気になってきました。悔しいのか、寂しいのか、なんなのか。悶々としました。それである日、燃えないゴミに出しました。

Performa 5440の思い出

Performa 5440 は始めて買ったパソコンです。大学2年生のときに、夏休みの間がんばってバイトして貯めたお金で買いました。25万円くらいだったと思います。当時のMacでは黒いのが珍しくて、一目みてカッコイイ!と思ってこれにしました。RGBの入力端子がついていて、テレビとかビデオの映像を取り込めるっていう画期的なマシンでした。これでクラリスワークスでドット絵を書いて、ホームページを作っていました。

それから10年くらい経ってから、骨董品的な価値が出てたのでヤフオクで売りました。5万円くらいになったと思います。

渡辺君から盗んだキン消しの思い出

1983年、任天堂がファミリーコンピュータを発売した年、幼稚園の年長さんで6歳の僕は友だちのキン消しを盗んだ。どうしてもキン消しが欲しくて、でも親はキン消しを買ってくれなくて、友だちの家から勝手にキン消しを持ち出した。6歳にして、立派な泥棒だ。

盗んだキン消しは家に持って帰れなかった。親にどこで手に入れたか問い詰められるから。それにものすごく後ろめたかった。身近に置いて置くと、仲の良い友だちを裏切った罪悪感で押しつぶされそうになるから。どこか離れた所に置いておきたかった。それで、住んでいた社宅の廊下に置いてあったプランターの下に、ビニール袋に入れて隠した。誰も知らない秘密の場所だと思っていた。人の家のプランターなのに。

一度キン消しを盗むと、次はロビンマスクが欲しくなり、その次はステカセキングが欲しくなる。僕は複数の友だちから、自分の欲しいキン消しを次々と盗んで、プランターの下に貯めていった。ただ貯めるだけ。だって遊びに行く時持って行ったらばれるから。たまにプランターの下からひっぱりだして、ちょっと眺めてまた戻す。そうする度に胸の痛みは蓄積されていった。

ある日もうこんな悪いことは止めようと思って、プランターの下からビニール袋に入った全てのキン消しを取り出した。これから渡辺君の家に遊びに行こうと家を出てすぐだった。ビニール袋の中に溜まった十数個の盗んだキン消し。その多くは渡辺君の家から盗んだものだ。

一番仲のいい友だちだったから、思いっきり楽しんで遊べた頃に戻りたかったんだと思う。その頃は彼の顔を見るたびにひどい罪悪感に苛まれていた。でも、彼に返すことはできない。キン消しを盗んだことがばれたら、もう友だちのままではいられないだろう。

悩んだ末、彼の家に向かう途中に道を横切るどぶ川に、ビニール袋ごと捨てた。水かさの少ないどぶ川だったから、十数個のキン消しが入ったビニール袋は重すぎて、なかなか流れなかった。それでも心に重くのしかかっていたものを捨てられた気がして、彼の家に遊びに向かった。

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渡辺君から盗んだキン消しに関する思い出は以上です。その後親にバレて怒られた顛末などは、私のブログ記事をご覧ください。
http://nmy.hatenablog.com/entry/20080222/1203678899

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