しかも一緒に「機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY」と「ダイナマイト刑事」をおまけで付けてくれて「この先生めっちゃ良い人だな……」と思ったのは鮮明に記憶に残っている.
家に帰ってから,早速ブルーディスティニーを楽しもうじゃないかとセガサターンのディスクトレイを開けると,そこには「Piaキャロットへようこそ!!」というタイトルとともに萌え萌えな女の子のイラストが描かれたディスクが既に入っており,非常に驚いたと同時に僕は色々なものを理解した.教師だって人間である.ギャルゲーだってやるだろう.しかし中学生に「18歳以上推奨」のディスクは些か刺激が強すぎる.実に微妙な心境だった.見てはいけない物を見てしまったかのような感覚に陥った.
さて当時の僕は実家に住んでいて,しかも家にテレビは1台しかなかったので,TVゲームをする時の多くは必然的に家族の誰かが見ているという環境だった.もちろん両親が温かく見守る中でギャルゲーに勤しむというのは当時の僕のメンタルでは無理だったので,「Piaキャロットへようこそ!!」は「機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY」のケースに押し込められ,お蔵入りとなった.ただのギャルゲーなのだが,両親に見つかったらどうしよう……と必要以上に怯えていたのを痛く覚えている.
そのセガサターンはその後,友人に金を返済するためにヤフオクで売ることになるのだけど,その出品の折に「Piaキャロットへようこそ!!」をセガサターンのディスクトレイに戻して発送した.これぞ真の現状復帰である.今も元気に動いていることを切に願うものである.