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人生ではじめてのインターネットの思い出

高校のときに自宅にはじめてのインターネットが来た。

プロバイダは今は亡きジャストシステム。ATOKで有名なジャストシステムが運営していたやつだ。

当時、通っていた高校では文化祭の準備の最中。クラスでベビーカステラを作りたい、という話になった。

しかし作り方がわからない。

僕は意気揚々と宣言する。「おれんち、インターネットがあるぜ!!」

とはいえ、まだGoogleなど無かった時代。しかも僕はインターネット初心者だ。

とりあえず、ジャストネットの掲示板に「ベビーカステラの作り方を教えてください」という今考えればクソみたいな質問を投稿する。

翌日、レスがついていた。

「たこ焼き器を使って、ホットケーキミックスを焼けばそれっぽくなります」

なるほど。

当時のインターネットはまだ牧歌的で、こういった掲示板にみんな普通に自分のメールアドレスを晒していた。名前も本名で投稿されており、女性だった。

お礼の返信を掲示板に書けばよいのに、男子校に通っていた僕は、わずかな下心からメールアドレスに直接お礼メールを送った。

そのお礼メールにさらに返事が来た。

そこから僕は何度かその女性とやりとりをする。福岡に住むOLさんらしい。
これがいわゆるメル友ってやつか、と思った。

学校から帰ると、その人からメールが来ていないかな、とワクワクしながらメーラーを開く、そんな毎日。

ある日、その女性から不穏なメールが。

「会社のデータを全部間違えって消してしまい、退職することになりました。このメールももう解約します。さようなら」

今思えば、下心丸出しで毎日メールを送ってくる男子高校生に嫌気がさしたのだろうが、当時の僕はそのメールを鵜呑みにした。その人の事が心配で数日眠れなかった。

これがぼくのはじめてのインターネットだった。

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