Join Quyo!

Quyo(クヨウ)は、捨ててしまったモノの思い出をつづって共有するサービスです。

Sign in with Hatena ID

SIGMA DP2の思い出

基本的にこれを買うまではショボイデジカメしかもっていなかったが、本格的に撮るぞ!と意気込んで買った。

DP2はDP1で評判になったFoveonセンサーをつかいつつ、35mm換算で41mmというほぼ標準レンズの単焦点レンズを備えたカメラだった。
今にいたるまでDPxシリーズはいくつも出ているが、どれも非常にカリッとしたシャープな写真が撮影できることが魅力であり、コンデジの癖してぱっと目にとまるほど、違いが分かる画を出力してくれた(特に当時)。一眼レフと勝負できるコンデジは、この当時これくらいしかなかったと思う。
解像感が高い画、単焦点レンズ、ここらへんはオタク心をくすぐった。

このカメラが良くも悪くも有名なのは、このカメラはかならずRAWフォーマットで撮影し、後でソフトをつかって現像しなければ真価が発揮できない、というカメラだという所で、普通にJPEGで撮影すると本当に微妙な画だった。
(このあたりは、撮って出しといわれる本体に直接Jpeg保存するカメラはある程度は大体同様で、限られたデジカメ内部CPUでのノイズ軽減処理や、Jpegの高い圧縮率による損失で、細部が眠くなってしまう)
ただ、手間をかけてRAWから現像すれば、かなりドラマチックな(言い方を悪くいえば、「それっぽい」)写真も簡単にとれるのがよかった。
これまた写真ヘタでも、パラメタをぐりぐりやればそれっぽいのがとれるという、センスがないオタクでも助かる!という感じだ。(今でいう、なんでもボカせばええやろ!に近いものがある)

しかし、ISOを上げるとすぐに破綻するカメラであり、ちょっとでも暗い室内は、色ノイズがハンパなく乗る。すぐに暗所がまだらになってつかいづらい、フォーカスも外しやすい。つまり天気が良い屋外以外では、どうしたって良い写真を撮る事はむずかしいカメラであった。
ただ、例外として、モノクロだけは多少ISOを上げても良い写真がとれるので(ノイズは乗るが、バンド的なものはなく、素直なノイズだから粒子感(オタクっぽい)が心地よい感じ)、最後はモノクロ(といっても、現像ソフトでモノクロにするのだが)で撮影していた。
AFも遅いので、ずっとMFで撮影するようになった。MFとかではサっと撮れないが、どうせ一枚撮影するとゆったり待たされる(操作が戻るのに、1秒とかかかる)ので関係ないのである。

あと、写真をアップロードして思い出したが、異常にはずれやすいレンズキャップだった。何を流用したかわすれたが、この写真の自動開閉式のキャップを自作するまではキャップがよく行方不明になった。
(コンデジなのに自動レンズバリアじゃないの本当に不便!!!)

兎に角つかいづらいカメラだったが、「使いづらいのが本格的(?)」という、オタクであれば一言で全部納得出来る程度には総合的に満足度が高いカメラであった。


このカメラで綺麗な写真(≠「良い写真」)を撮る快感に目覚めた自分は、その後いきなりCanonの5Dmk2を買って諸々のレンズをそろえたりした。一気に値段は5倍以上したと思う。しかしあのインチキとも思えるDP2解像感や、独特な色(まあこれは現像ソフトの性能かもだが)を超えるのは容易くなかったので、DP2はやはりすごい。

また買うか?と言われると、DP2はコンパクトかつ安価に、凄く解像感ある(びしっときまれば、脳汁がでる感じで気持ちよい)写真が撮れるが、いつでもどこでも思いのままの画を撮ることは不可能なカメラであり、夜行性の自分にはつらかったし、結局等倍が生かせるケースはほとんど無いのがよくわかったので解像番長のFoveonセンサー搭載カメラはしばらく買わないと思う。

最終的に、知り合いに「永久貸し出し」という形で渡した。

uzulla’s Quyo

もっと見る