Join Quyo!

Quyo(クヨウ)は、捨ててしまったモノの思い出をつづって共有するサービスです。

Sign in with Hatena ID

折り畳み自転車の思い出

5年前、ミニクーパーシリーズの折り畳み自転車を買った。
たしか3万円ほどだった。

当時、僕は転職に失敗し、日雇い派遣やアルバイトで食いつないでいた。

バイト先は出勤場所が固定してるが、日雇い派遣の仕事は毎日作業現場が変わるし、公共交通機関のすくない場所が多い。

僕が登録した会社は交通費が出ないところだったので、毎日のバス代電車代は貧乏な僕にはかなりの負担。

そこで、通勤のため、この6段変速付きの軽量な自転車を、大奮発して購入したのだ。

ミニクーパー車のデザインがそのまま自転車になったかのような外観はとても好きだったし、ハンドルとサドルはレザーが使われており、乗り心地も良かった。

街中のイベント設営のときも、住宅街でのチラシポスティングのときも、工業地帯の物流倉庫通いのときも、パンクやチェーン外れなどもなく、よく走ってくれた。

さらに、ハンドル部分にホールドして操作できるiPhone固定アームを追加した。

これにiPhone3GSを固定し、iOSマップをナビとして使いたかったからだ。

知らない地域の現場になると、場所がわかりづらいことが多く、マップを見るためにいちいち立ち止まってポケットからiPhoneを取り出す工程がめんどくさかった。

この組み合わせによって、派遣現場への通勤は極めて快適なものとなった。

昼前に上がれる現場のときは、そのまま最寄りのハローワークに行ったりもできたし、工場の夜勤明けの帰りにスーパーで買い物ができた。
遠方の現場で午前のみ作業のとき、帰りに周囲を散策したりして楽しかったなぁ。


そのあといろいろと派遣社員を転々とし、ようやく正社員になれた。
車を購入し、通勤も遊びもすべて車を使うようになり、この自転車はほとんど乗らなくなってしまった。

引っ越しの際、ひさびさにアパートの自転車置き場を見に行ったときには、もう乗れる状態ではなくなっていた。
至るパーツにサビができ、タイヤはパンクし、レザー製のサドルとハンドルはカビだらけ…。

結局、修理には出さず、市の廃棄場行きとなってしまった。

tkt0314’s Quyo

もっと見る