捨てたCDの思い出

CDってあんまり捨てないですよね。僕は捨てないです。売らないし。でも、1枚だけ捨てたCDがあって、それがスーパーカーのデビューアルバム「スリーアウトチェンジ」です。

スーパーカーは1997年にデビューした、日本のバンドです。1997年、僕は二十歳でした。福岡の高校を卒業して、東京の大学に出てきて、ずっといじめられっ子だったから大学デビューしたいと思ってたけど、学校ほとんど行かなくてテレホタイムにチャットばかりしていました。ある日、僕の数少ない大学の友達がCD-Rドライブ買ったからCD作ろうぜって声をかけてきて、それで始めて曲を作って、バンドを組むことになりました。その友達がもう1人つれてきて、僕がもう1人声をかけて組んだ、男ばっかりの4ピースバンドです。僕は楽器とか全く弾けなかったけど、バンド楽しくて、がんばって曲とかを書いていました。ローファイという便利なブームもあったので、俺たちローファイだし、ガレージだしみたいな。勘違いですね。

そんな頃に、スーパーカーの曲を聞きました。イギリスの、ナイーブな人たちみたいな、歪んだギターできれいなメロディを奏でる、おしゃれな曲をやっていました。シューゲイザーってやつですか。それで、かわいい女の子がベースを弾いていて、たまに歌をうたっていました。フルカワミキさんです。すごくキラキラしていました。とても眩しかったです。女の子のメンバーがバンドにいるなんて。それでイギリスっぽいオシャレなロックやってるなんて。

アルバムを買ったはいいものの、当時童貞だった僕はだんだん複雑な気持ちになってきました。なんか、負けてる気になってきました。悔しいのか、寂しいのか、なんなのか。悶々としました。それである日、燃えないゴミに出しました。