シャープペンシルの思い出

私が中学生の頃の話だ。
たまたま私の使っているシャープペンシルとクラスの子が持っているシャープペンシルが同じデザインの物だった。あまり彼女とは話したことはないが、同じ物を持っているというだけでなんとなく親近感を覚えていた。

ある日、彼女のシャープペンシルがなくなった。不運にもどこかで落としてしまったのか、あるいは誰かが盗んだのか。彼女の友人を中心としてちょっとした騒ぎになっていた。普段なら「なくしちゃって残念だね」という流れで収まっていた。しかし、彼女はそのとき偶然にもなくしたシャープペンシルと同じ物を使っている私を目撃しており、「私」が犯人だと言いだした。
私はずっと前からそのシャープペンシルを使っていたのだが、当時の私は目立たないタイプの人間だったので彼女はそのことを知らなかったのだろう。無実を訴えても信じてもらえず、彼女の友達からの問い詰めや視線が痛かった。

その後シャープペンシルは彼女の鞄の奥底から発見され、私の無実が証明された。しかしその後、何となく気まづくて、私は家に帰るなりそのシャープペンシルをゴミ箱に捨てた。