自由帳の思い出

僕の小学生時代は自由帳が何よりの友達だった。
真っ白なページに僕が鉛筆を走らせていくと思い通りの何かが出来上がる。
時には見開きでやたらでかい迷路を作り自分で道がわからなくなり、
時にはやたらリアルなりんごを2時間かけて描いてみたり。
またあるときには切り取ってセロテープでお面やロボットを作ってみたり。
時には自由帳がRPGゲームのステージとなった。僕は勇者になれた。

休み時間にあまり外へ遊びに行かずに図書室に行くか自由帳に何かを描いていた。
思い起こせば友達ができなかった理由は明らかに自由帳だが何よりの友人も自由帳だった。
ランドセルには教科書、ノート、そして欠かせない自由帳が数冊、いつも入っていた。

中学生になり、自分は作る側にはどうも向いていないなと感づいてしまった。
それからは本を読み出した。学校カバンから自由帳が消えて代わりに小説が入った。
本を読むのは自由帳と遊ぶのとは違う楽しさがあった。僕はすっかり本の虜になった。

それからもしばらくは自由帳を持っていたのだがすっかり興味が失せて捨てた。
今見返したら笑い泣きしながらこ汚いページをめくることができるかも知れない。
惜しいことをしたなあ。